さかい医院。川崎市中原区の内科・循環器科診療所。武蔵小杉駅より徒歩8分。生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病)、心臓病(虚血性心疾患、不整脈)。

高血圧とは

高血圧は怖い病気

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血圧が高い一番の問題は、「動脈硬化を引き起こす」ことです。高い圧力が続くと、その圧力に耐えるために血管壁が堅く・厚くなり、コレステロールなどの脂質がたまりやすくなり、通り道は狭くなるため、さらに血圧が上昇します。

この悪循環を治療せずに放っておくと、動脈硬化はひどくなり、最後は脳や心臓の病気が起こるため、高血圧は怖い!

つまり高血圧自体は症状はありませんが、長期間放置すると病気が進行して、突然血管が閉塞することで症状が出てきます。

このため、あたかも健康な人が、突然病気になって倒れたように見えてしまうわけです。

しかし正常にコントロールすることで病気が進行しないため、健康な生活を送ることが出来るため、けして怖い病気ではありません。

 

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親が早期発症高血圧だと子の高血圧リスクも高い

早発型の高血圧(55歳未満で発症)は、晩発型の高血圧に比べ心血管死のリスクが高く、子の高血圧の発症リスクも上昇するとフラミンガム心臓研究グループが発表しています。

片親が早期発症で子のリスクが2倍、両親では3.5倍にもなるそうです。

さらに高血圧の発症年齢が若いほど心血管死、特に冠動脈性心疾患死が多くなるとのことです。

早期から適切な治療が必要です

 

高血圧の診断

収縮期(上の血圧)が140mmHg以上、拡張期(下の血圧)は90mmHg以上を高血圧と診断します。

つまり140台/90台は高血圧です。130〜139/85〜89でも正常高値血圧、本当の正常血圧は130以下/85以下となります。

1回の血圧で判断しているわけではなく、平均的・持続的に高い場合に高血圧と診断します。

もちろん診断された場合、全て薬を飲むわけではありませんが、必ず生活習慣の改善は必要となります。若年者や糖尿病を合併する方は数字が異なりますので、注意してください。

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高血圧のガイドライン2014年4月に変わりました

2014年4月に高血圧のガイドラインが改定されました。

診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合,家庭血圧による診断を優先されるようになります。

 


診察室血圧

家庭血圧

若年、中年、

前期高齢者(65歳以上、75歳未満)

140未満/90未満

135未満/85未満

後期高齢者(75歳以上)

150未満/90未満

忍容性あれば140未満/90未満

145未満/85未満

忍容性あれば135未満/85未満

糖尿病

130未満/80未満

125未満/75未満

CKD(尿蛋白陽性)

130未満/80未満

125未満/75未満(目安)

脳血管障害

冠動脈疾患

140未満/90未満

135未満/85未満(目安)

 

※いずれにしても 「未満」 ですので、数字を含めて高い値が続く場合は「高血圧」と判断されます。

そもそも高血圧の原因は?

•本態性:原因不明で全体の90%。つまり大部分は原因不明。 •二次性:原疾患により血圧が上昇(下の表を参照)

腎性

腎臓の病気

l腎実質性:腎炎、腎盂腎炎
l腎血管性:腎動脈の動脈硬化

内分泌性

ホルモンの異常による

l原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫
l甲状腺機能亢進症(低下症)、副甲状腺機能亢進症

血管性

心臓や動脈の病気

l大動脈縮窄症、大動脈弁閉鎖不全症

薬剤誘発性

薬の副作用による

l鎮痛薬、免疫抑制薬、ステロイド、漢方(甘草)、健康食品

その他

睡眠時無呼吸症候群、脳幹部血管圧迫、加齢、閉経

血圧とは

そもそも血圧とは、血(血液)が血管の中を流れるとき、血管に内側からかかる圧力です。

心臓の筋肉が縮んで(収縮して)、中の血液を押し出した瞬間に、血管に一番強い圧力がかかります。これを収縮期血圧(最高血圧:一般的には上の血圧)といいます。

次に収縮した後に心臓がひろがる(拡張する)ときに、圧力が一番低くなります。これを拡張期血圧(最低血圧:一般的には下の血圧)といいます。

収縮期血圧と拡張期血圧のどちらか一方でも持続的に高ければ、高血圧(高血圧症)といいます。

 

血圧が高い状態が長く続くと、血管が中から強い圧力で押されるため、血管がその圧力に対抗して厚く・硬くなるため、弾力がなくなるため「動脈硬化」と呼ばれます。

心臓はポンプ

心臓は、ポンプのように毎分60〜80回ぐらい、血液を血管へと押し出しています。計算してみると・・・・・

 1分間

 60

 〜

 80回

 1時間

 3,600

 〜

 4,800回

 1日

 86,400

 〜

 115,200回

 1年

 31,536,000

 〜

 42,048,000回

 5年

  157,680,000

 〜

 210,240,000回

 10年

 315,360,000

 〜

 420,480,000回

 20年

 630,720,000

 〜

 840,960,000回

 

高血圧と言われてからの年数をかけてみてください。血管にどのくらい負担がかかっているか、想像してください。

塩分取りすぎると「要介助」の危険増

塩分に関係して、2010年1月7日  読売新聞に厚労省研究班調査の記事が掲載されていましたので、そのまま掲載します。

 

 食塩を多く摂取する人ほど、年齢を重ねてから身の回りの動作に介助が必要になる危険性が高いことが、厚生労働省研究班(代表=上島弘嗣・滋賀医科大名誉教授)の調査でわかった。食塩の摂取量と介助の必要性の関係を明らかにした研究は初めて。

 1980年の国民栄養調査を基に、心血管の疾病や高血圧の既往症がない52〜64歳(当時)の男女1510人について、食塩摂取量を推定した上で、14年後の生活動作を調査。〈1〉排せつ〈2〉衣服の着脱〈3〉入浴〈4〉食事〈5〉歩行――のいずれかが一人でできない場合を「介助が必要」として分析した。

 1日平均の食塩摂取量は、男性16・6グラム、女性13・9グラムだった。介助が必要になった人は53人おり、1日の食塩摂取量が男性で5・7グラム、女性で4・5グラム増えるごとに、介助が必要となる危険性は25%ずつ増した。野菜などに含まれるカリウムを多く摂取するほど、日常動作の悪化を防ぐ効果があった。

 三浦克之・滋賀医大教授は「外食や加工食品から知らないうちに食塩を摂取している。意識して減らすことが生活の質を維持するために大切だ」と話す。

 

 

今までも言われていることですが、減塩は大切です。食事内容を見直してみてはいかがですが?

高血圧の治療は薬以外に生活や食事を見直す必要があります。

よく、「薬の飲んでるから何をしても良い」とききますが、 食事療法、運動療法は続けていかなくては薬の効果が十分発揮されないことがありますので、薬を飲むとともに食事・運動に気を配ることも忘れないようにしましょう。

せっかく時間をかけて通院し、高い金額で診療や処方を受けているわけですから、無駄にしないようにしましょう。

塩分と血圧上昇

塩分に含まれるナトリウム(Na)を過剰に摂取した(とった)場合、体内でナトリウムの濃度(濃さ)を薄めるために、大量の水分を取り込みます。

体内の水分量が増加すると、心臓の負担が増加するため、血圧が上昇します。

全ての人が塩分の過剰摂取で高血圧となっているわけではありませんが、少なくとも過剰に摂取した場合には、血圧が上昇する可能性があることを覚えておく必要があります。塩分に反応する(食塩感受性が高い)方は十分注意する必要があります。

まずは減塩が血圧治療の基本

まずは減塩が最も重要です。

食塩を多く摂っている国の人ほど血圧が高いということが知られています。塩分をほとんど摂らない民族では、高血圧の患者が少ないことが知られています。

食塩の摂取量の目安は、1日10g以下です。

国民栄養調査によると、戦後は約25g、次第に減って現在は12〜13g位で、まだ塩分は取り過ぎています。

 

食パンやおすしに含まれている塩分、加工食品や外食などには、塩分が多く含まれています。単に調味料の食塩やつける醤油を調節しただけでは十分な減塩は出来ません。

薄味に慣れることが重要です。汁物・酒のつまみにも注意。醤油はつける様にして下さい。(かけて食べるとかなり多くなってしまいます)
酸味や香辛料を上手に利用して味の工夫も必要です。
(いくら頑張っても全体の食塩量が多いと全く効果がないため注意が必要)

食塩1gとは

 食塩1gとは以下のような量です

 食塩  小さじ1/5     バター  大さじ4強
 ウスターソース  大さじ1弱     しょうゆ   小さじ1
 マーガリン  大さじ4強     減塩しょうゆ  小さじ2弱
 トマトケチャップ   大さじ1と2/3    マヨネーズ   大さじ3弱
 ドレッシング  大さじ4    みそ  大さじ1/2強

 

 

食品に含まれる食塩量

 食品に含まれる食塩の量

 塩鮭(1切れ)  8.1g    食パン(1枚)  0.8g
 インスタントラーメン(1袋)  5.5g     梅干し(1個)  2.1g
 タラコ(1/2腹)  2.6g    ツナ缶詰(オイル漬け)(1皿)  0.5g
 ウィンナソーセージ(3本)  1.0g    たくあん(3切れ)  2.1g
 アジの干物(1枚)  2.4g    ごはん(1膳)  0.4g

 

 

体内時計と塩分

2009年12月14日の「YOMIURI ONLINE」に以下の記事が掲載されていました。

 

24時間のリズムを刻む体内時計が乱れると、高血圧になりやすくなる仕組みを京都大の岡村均教授らが解明した。


 治療薬の開発や高血圧が引き金となる病気の予防などにも役立つと期待される。 医学誌ネイチャーメディシンに14日発表した。

 生体リズムの乱れは、肥満や高血圧を引き起こし、実際、昼夜交代勤務者に高血圧が多いことが知られている。しかし、詳しい仕組みはこれまで分からなかった。岡村教授らは、体内時計「Cry1」と「Cry2」の働かないマウスに、塩分の多い食事を与えると、高血圧になりやすいことを発見した。血圧を調整するホルモンが過剰に分泌されているためで、このホルモンの分泌には、副腎で造られる酵素が関与していることがわかった。酵素は体内時計で、朝低く夜高いように調整されているが、体内時計が働かないと、ずっと高いままだった。

 人間でも生活リズムが崩れると、Cryが刻むリズムに乱れが生じる。副腎の酵素も人間にもあることから同じ仕組みが働いている可能性が高い。

 岡村教授は「実際の高血圧の患者で、体内時計や酵素に変化が生じているか調べて、薬などの開発に結びつけたい」と話している。

 

以前より生活リズムによって血圧が変化する場合があり、高血圧は生活習慣病と言われる所以です。

高血圧と飲酒1

1980年の循環器疾患基礎調査で、男性では多量飲酒者ほど血圧が高く、毎日飲酒する人は飲まない人と比べ、10歳の加齢に相当する血圧を示していました。

1回の飲酒は血管を拡張させ、一時的(数時間)は血圧が低下しますが、長い間、飲酒を続けることで日々の血圧は上昇させ、高血圧の原因となります。日々の飲酒量が多いほど平均血圧が上がることが報告されています。節酒による降圧効果は1〜2週間以内に現れます

また大量飲酒者は急にアルコール制限を行うと血圧が上昇することがあります。数日継続することで血圧は低下します。

血圧が上昇するのは血管が収縮したり、交感神経の活動が活発となったり、腎臓からカルシウムやマグネシウムが失われたりするためと考えられています。さらにアルコール自体で摂取カロリーが増えたり、おつまみを食べたりすることも関係していると言われています。

高血圧と飲酒2

人種やアルコールの種類と無関係にアルコール1日30mlあたり、血圧は3mmHgほど上がると言われています。アルコール30mlとは、「日本酒1合、ビール大瓶1本、ウイスキーシングル2杯、ワイン2杯」となります。

このことから考えると、飲酒は肝臓の病気を起こすだけではなく、血圧にも関係があるため、節酒・禁酒も血圧を下げるためには重要な因子となります。参考までに大量飲酒(毎日5合以上)では心臓の病気を起こし、心不全となることもあるため、注意が必要です。

 主な酒類

 アルコール度数

 アルコール量

 ビール

 中ビン1本(500ml)

  5% 20g

 日本酒

 1合(180ml)

 15% 22g

 ウイスキー・ブランデー

 ダブル(60ml)

 43% 20g

 焼酎

 1合(180ml)

 25% 36g

 ワイン

 1杯(120ml)

 12% 12g
 

 

  
 
  


  

 

 

 


※アルコールは体内で脂肪に変わりやすい糖質であり、エネルギー量も多いため、飲酒量が多いとカロリーの多い食事をしていることと同じになります。


節度ある飲酒量とは、純アルコール換算で1日20g程度と言われています。
アルコール1gは7キロカロリーであり、7×20=140キロカロリー

 

皆様の飲酒量と比較して計算してみてください。食事以外でとっているカロリー数なので、注意してください

規則正しい食事と減量が重要

規則正しい食事が重要です

不規則な食事は空腹感が増えるだけです。1度に食べる量が増えたり、体が飢餓状態になり栄養の吸収が亢進したりして、かえって太る原因になります。1日3回、規則正しくとるようにして下さい。


減量も効果あり重要です

減量することで、常に身にまとっていた脂肪を下ろすことになり、おもりや荷物が無くなったことと同じです。体の負担が少なくなることは想像できると思います。さらに減量に成功していると言うことは生活習慣が改善されたことも示しています。

血圧調節たんぱく質

血圧調節たんぱく質発見…高血圧発症率を左右

8月2日(火)に読売新聞が配信した記事を転記します。

 

 血管細胞で血圧の調節にかかわっているたんぱく質を、京都大薬学研究科の竹島浩教授や山崎大樹・特定助教らのグループがマウスを使った実験で突き止めた。
 
 このたんぱく質を作る遺伝子タイプのわずかな違いで、高血圧の発症率が上がることもわかった。米医学誌セル・メタボリズム電子版に2日、発表する。
 
 グループは、血管内の細胞で情報伝達役を務めるたんぱく質群に着目。これらのたんぱく質のうち、「TRIC―A」を作れなくしたマウスは血管収縮の調節がうまくいかず、高血圧状態になった。
 
 TRIC―Aの遺伝子について、30〜59歳の高血圧患者と45歳以上の健康な人をそれぞれ約1100人ずつ調べたところ、高血圧患者の7%と健常者の4%に、遺伝子の特定部位にわずかな変異がみられた。この変異がある人は、ない人と比べて、高血圧の発症率が18%も高かった。

 

 以上の文章が掲載されていました。多くの原因で高血圧が発症しますが、その原因の1つと思われ、今後の研究につながることを期待しています。

高血圧関連でメディア

平成22年2月1日:わかさ記事掲載

平成25年10月26日:辰巳出版「タツミムック」 

平成26年3月1日:わかさ記事掲載

2016年2月16日:宝島社「TJ MOOK 」

平成29年11月:カラダネ(高血圧を下げる食事)

 

※関係の方にはお世話になりました。