血圧とは?
心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときにかかる圧力のことです
さかい医院。川崎市中原区の内科・循環器科診療所。武蔵小杉駅より徒歩8分。生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病)、心臓病(虚血性心疾患、不整脈)。
血圧とは?
心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときにかかる圧力のことです
血圧の値は何で決まるの?
心臓から押し出される血液の量、血管のしなやかさなどで決まります
上の血圧とは?、収縮期血圧とは?
心臓が収縮し血管にもっとも強い圧力がかかっているときの値で、正式には収縮期血圧と呼ばれています。
下の血圧とは?、拡張期血圧とは?
心臓が拡張しているときに血管にかかる圧力の値で、拡張期血圧と呼ばれています。心臓から血液は出ていませんが、収縮期でふくらんでいた大動脈が元に戻り、その間もゆっくりと血液が先に送られるため、血圧は0になりません。
高齢になると血圧が高くなるのはなぜ?
加齢や病気で動脈が硬くなりやすいため、収縮時に大動脈がふくらみにくくなります。そのため、上の血圧(収縮期血圧)は上がりやすく、下の血圧(拡張期血圧)はむしろ低下して、上の血圧だけが高くなる収縮期高血圧と呼ばれる状態がみられます。
高血圧の診断はどうするの?
上の血圧が140mmHg以上の場合、または下の血圧が90mmHg以上の場合、あるいはこれらの両方を満たす場合に診断されます。
高血圧を放置するとどうなる?
動脈硬化が進行して脳卒中や心臓病、腎臓病など重大な病気になる危険性が高くなります。
進んでしまった動脈硬化は戻らないので注意が必要です
高血圧の人は多いの?
わが国で患者数がもっとも多い病気で、約4300万人の患者さんがいるとされています。
しかし適切に血圧がコントロールされているのは、わずか1200万人程度と考えられています。
高血圧の原因は?
原因をひとつに定めることのできない本態性高血圧と、原因が明らかな二次性高血圧に分けられます。
本態性高血圧とは?
日本人の高血圧の約8〜9割が本態性高血圧です。
遺伝的素因(体質)や食塩の過剰摂取、肥満などさまざまな要因が組み合わさって起こります。中年以降にみられ、親が高血圧の場合に起こりやすい高血圧といえます。
食生活を中心とした生活習慣の修正が予防・治療にきわめて大切です。
二次性高血圧とは?
原因があって血圧が高くなっている高血圧です。このため原因を取り除くことができれば、血圧の正常化が期待できます。
一般に、二次性高血圧は、本態性高血圧とくらべると若い人に多くみられます。
二次性高血圧の原因となる病気は?
例えば腎臓の働きが悪くなって塩分と水が排出されにくくなる場合、副腎や甲状腺など内分泌腺の病気によって血圧を上げるホルモンが体のなかに増える場合、腎臓やその他の血管の病気がある場合、ほかの病気のために使っている薬が原因となっている場合などがあります。
高血圧は遺伝するの?
遺伝の要素として、家族に高血圧の人が多い家系は、高血圧が起こりやすくなります。
それ以外に家族で似た生活環境にある環境要因もあり、この遺伝と環境の両者の可能性が考えられます。
両者を合わせて家族性の要因が60%あるといわれています。
高血圧の環境要因とは?
食塩摂取量が多い、過食や偏食による肥満が多い、運動不足など、日々の生活が影響しています
高血圧の症状は?
サイレントキラー(静かなる殺人者)といわれるように、ほとんどの人で自覚症状がありません。
時に早朝の頭痛、夜の頻尿や呼吸困難、めまいやふらつき、足の冷え、などの症状を認める場合もあります。
高血圧は症状が無ければ大丈夫?
高血圧を放置すると、脳や心臓の血管の動脈硬化が進んで、突然、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気になることがあります。徐々に腎臓のはたらきが悪くなって、最終的に透析になることもあります。決して侮れない病気です。
血圧は下げなければだめですか?
将来起きる可能性のある脳卒中や心筋梗塞、腎機能の悪化を予防するために行います。
進んでしまった動脈硬化は戻らないので注意が必要です。
血圧はどうやって計るの?
@病院・クリニックなどで測る診察室血圧
A自宅で自分で測る家庭血圧
B特殊な機器をつけて15分〜1時間ごとに1日掛けて血圧を測る24時間血圧
の3つがあります。
どこから高血圧?
上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、もしくは下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上のどちらか一方でも超えていれば高血圧と診断されます。
家庭血圧の場合は、5〜7日の平均でどちらか一方でも135/85mmHg以上である場合も高血圧と診断されます。
上の血圧(収縮期血圧)が130mmHg台、下の血圧(拡張期血圧)が80mmHg台なら大丈夫?
診察室血圧で130/80 mmHg以上(家庭血圧で125/75mmHg以上)の方は高値血圧と診断されます。高値血圧の人は、やはり正常血圧の人に比べて脳心血管病の危険性が高いことが近年わかってきました。その危険性は、糖尿病や慢性腎臓病などの合併症や喫煙習慣のある人ではさらに高くなります。
高血圧治療でどこまで下げるの?
75歳未満は診察室血圧で130/80 mmHg未満を、75歳以上でも140/90mmHg未満を目指します。合併している病気の状態などによって、より厳格に下げたほうがよい場合や、逆に慎重に下げたほうがよい場合がありますので、主治医とよく相談して下さい。
下がりすぎによって血圧を下げる利益よりも副作用など不利益が大きくなることがあり、めまいやふらつきなどの自覚症状の変化に気をつけて、家庭血圧を測定するようにして下さい。
家庭血圧はどうして必要なのですか?
血圧は1日のうちで変動します。時間帯による変化を見ることが重要です。
最近、脳卒中や心筋梗塞などの発症を予測する方法として、診察室血圧よりも家庭血圧の方が優れていることがわかってきました。
白衣高血圧とは?
家庭や職場などではいつも135/85mmHg未満であるのに、診察室血圧は高血圧基準である140/90mmHgを超える人がいます。
このように診察時のみ(白衣の前では)血圧が高くなる例を「白衣高血圧」と呼びます。診察時に緊張して血圧が上がるなどの理由が考えられますが、家庭血圧が本当に正常であれば、診察室血圧のみが高くても降圧薬による治療の必要は当面ないことがわかってきました。
ただし、白衣高血圧は将来、治療が必要な高血圧になる可能性が高いので、血圧測定は定期的に行うようにしましょう。
仮面高血圧とは?
健康診断や診察の時は正常なのに家庭や職場での血圧が高い人がいます。そのような例を、診察時には高血圧が隠れていることから「仮面高血圧」と呼びます。
仮面高血圧は危険?
脳心血管病を発症しやすいため、治療が必要です。喫煙者、精神的ストレスの高い人、身体的活動度の高い人、アルコール多飲者は仮面高血圧になりやすいので、意識的に家庭や職場で血圧を測るようにしましょう。
薬以外にも血圧を下げる方法がありますか?
食事、運動、嗜好品などの生活習慣を修正することで高血圧の予防や改善が期待できます。
具体的には減塩、肥満の予防や改善、飲酒している人の節酒などに加えて、運動習慣や食事のパターンの見直しなどが有効です。禁煙も推奨されます。
その他、防寒や情動ストレスのコントロールも有効といわれています。
こういった生活習慣の修正はひとつだけを集中して行うよりも、組み合わせて行うことで効果が出てきます。
高血圧の薬を減らせますか?
生活習慣の修正がうまくいくと薬の量を減らすのに役立つ場合があります。高血圧から動脈硬化を進めないためにも生活習慣を見直すことは重要です。
減塩(食塩制限)は必要ですか?
減塩は血圧を下げるだけでなく、脳卒中や心疾患、腎臓病と直接関係がある可能性もあります。とくに食塩摂取量の多い日本人では減塩による降圧効果が大きいと考えられます。
高血圧の人は1日6g未満が目標です。
個人差はありますが、本態性高血圧患者では食塩摂取量を1日1g減らすことで平均 1mmHg強の収縮期血圧の低下を期待できます。
適正な体重は?
肥満の有無は、体重(kg)を身長(m)の2乗で割って算出する「体格指数(BMI)」で判断します。
BMIの正常範囲は18.5〜25.0(kg/m 2 )で、肥満者はBMI 25.0未満を目指して減量をします。
肥満何が問題なの?
肥満は高血圧だけでなく、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、肝障害、腎障害など多くの病気の原因となります。個人差はありますが、3〜4kg減量すれば血圧の低下が期待できると言われています。
いつも3~4kgの荷物を持って歩いていることは負担になると思いませんか?
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