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冬の外出時に寒さが気になりますが、入浴時にも注意されていますか?

 

ヒートショックとは、家の中の急激な温度差がもたらす身体への悪影響のことです。

急激な温度変化により、血圧が大きく変動することで、失神や心筋梗塞、脳梗塞などを起こすことがあります。

家庭内で高齢者が死亡する原因の4分の1を占める「ヒートショック」

年間1万人以上(平成25年中の交通事故死 4,373人、1970年の16,765より 73.9%減少していますが・・・)。
さらに病死と判断されている方も多く、実際の数はもっと多いと考えられています。
少なくとも交通事故の2倍の死亡数であり、大きな問題です。

浴槽内溺死の8割以上は高齢者であり、その最大の原因と考えられています。

日本に多い原因は、「熱い湯に首まで浸かる日本の入浴文化 」によるものと考えられています。

ところで「ヒートショック」は、医療業界よりも、建設業界で使われている言葉ですが、最近では医療業界でも知られるようになってきました。 

消費者庁から「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」

平成28 年1月20 日 消費者庁からNews Release

「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」と注意喚起


こちらのページに

http://www.caa.go.jp/action/press/2016/

報道発表資料

認知度は向上し、対策をとられている方も多くなっているようです。

暖差リスクを無くして、ヒートショックから身を守る対策をしてください。

寒波に注意

寒波とはその地域の平均的な気温に比べて著しく低温な気塊が波のように押し寄せてくる現象のことである。
この強い寒気の影響で、日本列島は冬の嵐に見舞われます。

最低気温が氷点下になり、広い地域に数日に渡り気温低下する寒気が到来します。

この寒波と関連して、外気温の変化と同時に室温も低下します。
高齢者の方などはヒートショックにも注意が必要です。

冬場は高齢者の入浴の際に、部屋と脱衣所・浴室の温度差に注意

「東京都健康長寿医療センター」が今年3月に公表した47都道府県の消防本部へのアンケートでは、入浴中に心肺停止し、救急搬送された65歳以上の高齢者が2011年に9360人(男性4654人、女性4706人)でした。

80歳以上が60%(5386人)人、70歳代が3257人、65〜69歳が717人と高齢なほど多かったとのことです。月別では1月が1759人と最多で、続いて12月が1722人と冬に多く、8月の165人と夏場は少なくなっていたとのことです。

冬期に多い心血管イベント

寒い冬期に心疾患や脳血管疾患などの心血管イベントで亡くなる方が多くなります。

冬期の入浴には注意して下さい 

住宅の暖かさに不満を感じている

暖差リスク予防委員会が、2014年10月にインターネットで行ったアンケートによると、約半数が冬の住宅の暖かさに不満を持っている。
なんと、46.2%と約半数が「やや不満」「不満」と回答しています!

さらに暖房をつけても部屋が寒い、暖房をつけた後、部屋が暖まるのに時間がかかると続きます。
やはり全国調査でも、脱衣所、浴室などを寒い場所と感じているようです。

入浴時には服を脱ぐことで寒さが増し、体内では熱が逃げないように皮膚表面の血管を縮めるため、血圧が上昇します。
湯船で温まりますが、この時に身体を温めるため、皮膚の血管が広がり血液を温めます。しかし血管が広がることで血圧が急激に低下します。
この急激な血圧変化が重大な病気を起こします。最悪の場合命を落とす場合もあり、高齢者が自宅で亡くなる大きな原因となっています。

皆様も寒くて震えたり、湯船から立ち上がった時にフラッとしたことはありませんか?
寒い冬期には、浴室を暖める様にして下さい。

 

最近住宅の段差は解消されていますが、暖差が残っているので注意して下さい。

冬場の暖房が効いた部屋から寒い廊下やトイレへ行くときに、「ブルブルッ」としませんか?

室温の急激な変化から体温を調節するために

 

  • 筋肉を震わせて熱を作っています。
  • 同時に、体の表面から熱が逃げないように血管が収縮し、血圧や脈拍が上がります。

 

リビング→廊下・脱衣所→浴室と室温が低下しますが、この温度差が大きいほどヒートショックは起こりやすいです。
さらに熱いお湯に入った瞬間にも熱い刺激で血圧は上昇しますが、温まり始めると急激に血圧は低下します。この血圧の急激な変化(乱高下)が危険です。

 

高血圧や糖尿病、脂質異常症など動脈硬化が進行した高齢者では、

  • 血圧の上昇で心筋梗塞、脳梗塞や脳出血など(病死)
  • 血圧の低下により意識を失うことで溺死

などを起こす原因となります。

 

特に冬場の冷え込んだトイレ・洗面・浴室など、極端な温度差がある場所は注意が必要です。

体温調節と血圧変化

寒い時は血管を細くして、皮膚の下に流れる血液の量を減らし、体の熱を外に逃がさないように調節している

しかし、血管が縮むと、血液が流れにくくなり、血管壁にかかる圧力が高くなります

血管が縮むと血圧が上昇する

皮膚の血管が縮むと血圧は上昇します。

車の渋滞のように車線が減少して、1車線を通る車の数が増えるようなイメージです。

しかし、渋滞と異なり流れが滞るわけにはいきません

 

全身へ同じ量の血液を運ぶために、圧力が上がります。

車線数が減少しても同じ量を運ぶ工夫がされています。

渋滞に類似.jpg
  1. 入浴時に、寒い脱衣所・浴室の洗い場などで急激に血圧が上昇し、浴槽の熱いお湯で心臓にも負担がかかりさらに血圧が上昇します。
  2. しかし浴槽につかっていると、温熱効果で血行が良くなるため急激に血圧が低下します。
  3. 最後に温まった体で寒い脱衣所へ出ることで、再び急激に血圧が上昇します。

この様な急激な血圧の変化が負担となります!

10度以上の温度差に注意!

•年齢

•65歳以上

•持病

•動脈硬化が進行(狭心症や心筋梗塞、脳出血や脳梗塞の方)
•肥満・メタボリックシンドローム、さらに高血圧や糖尿病
•不整脈がある

•入浴の習慣

•一番風呂、または深夜の入浴、または1人で入浴
•飲酒後や食直後、薬を飲んだ直後の入浴
•熱いお風呂に、首までつかり長湯する(42℃以上)

•居住空間

•自宅の浴室や脱衣所に暖房設備がない(20℃未満)
•築年数が経過した家、浴室がタイル張りで窓がある
•居間、浴室、トイレなどが離れている
 
☆上記の中で当てはまるものが多ければ危険です!

日本の木造住宅の耐用年数は30年といわれています。

30後半〜40歳程度で新築一戸建てを建てた場合、60後半から70歳程度と65歳以上の高齢となっています。

最近の技術進歩により、50〜55年と延びているとの報告もあり、90歳以上になる計算です。

 

建築時から将来を見据えて検討する必要があると思われます。

ヒートショックの認知度

暖差リスク予防委員会が、2014年10月にインターネットで行ったアンケートによると、「ヒートショック」という言葉は約50.9%が知っているそうで、言葉は認知されています。
しかし高齢者のことで、自分は無関係と思っている方が多いとのことです。

自宅を建てる際に、何を気にされていますが?
デザイン?、金額?、ブランド?

長期住み続ける住宅であり、健康を維持することも大切です。
現在の年齢から、何年間住むことを想定していますか?
30年としたら、施主も+30歳となり、高齢者に近づいているのでは無いでしょうか?

つまり、将来自分の家族が一番関係する住宅です。
健康を維持するために、自宅内での温度差を無くす工夫をされてみてはいかがでしょうか?

涼しさ・暖かさの感じ方は「温度」だけでなく「湿度」でも変わります。 湿度が低いとウイルスが活性化し、鼻や喉の粘膜が乾燥するため、風邪をひきやすくなります。 美容と健康のために、適切な温度と湿度を維持して下さい。

 

乾燥と病気」のページにも記載しましたので参考にして下さい。

共同通信社に以下の記事が掲載されていました。

 

1980年以前に建てられ省エネ効率が低い木造住宅が多い地域ほど、断熱性能が弱いため冬場に脱衣所と浴室に大きな室温差が発生するなどし、入浴中の高齢者の水死事故が増えるとみられることが、17日までの東京都健康長寿医療センター研究所などの調査で分かった。

 高齢者の水死事故は、入浴前後の室温差により血圧や心拍が大きく変動し、失神したりするのが原因とされる。調査した高橋龍太郎(たかはし・りゅうたろう)副所長(老年医学)は「高齢者向けに木造住宅のバリアフリー工事をする際には、風呂場を二重窓にしたほうがいい」としている。

 高橋さんらは、一戸建ての木造住宅に着目。最初に住宅の省エネ基準が制定された80年以前に建てられた住宅が占める割合と、浴槽での水死発生率、高齢化率、平均気温の関係などを、98年時点のデータを使って都道府県別に分析した。

 その結果、80年以前の住宅が占める割合が高いほど、高齢者が大半を占める浴槽での水死が多くなる傾向があることが判明した。

 浴槽での水死発生率が100万人当たり54・2人で最も高かった新潟県は、基準制定前の木造住宅が約60%を占めていた。基準前住宅が約50%だった埼玉、千葉両県は水死者も7・9〜12・7人と少なかった。

 高橋さんは「住宅の省エネ効率が高いとみられる北海道の水死率は低かったが、北陸や東北など寒い地方では高い傾向が見られた。住宅の構造の違いも検証したい」と話している。

極端な気温の上昇や低下は、心血管疾患死の増加と関連することは知られていますが、猛暑が続くことでも有意に増加することが、オーストラリア研究で明らかにされました。

 

極端に気温が上昇または低下する時期に、コレステロール値の変化や自律神経系の反応によって、心血管疾患が増加することが報告されています。特に高齢者での死亡に関係しています。

猛暑では、初日に心血管疾患死が最も多く、その後速やかに減少し、5日以内に平常と同程度となります。
寒波では、2日後に最も増加し、その後わずかに低下したが、10日後でも増加したままであり、寒波の影響は猛暑よりも長く続く遅延効果があります。

このため急に暑くなった時は初日から数日間、寒くなったら寒波の初日から10日間は注意が必要そうです。


地球規模の気候変動による長期にわたる猛暑が、高齢者やCVDの既往があるような脆弱な集団にさらなるストレスを与え、気温によって将来の疾病負担が増加する可能性があると指摘しています。

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