さかい医院。川崎市中原区の内科・循環器科診療所。武蔵小杉駅より徒歩8分。生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病)、心臓病(虚血性心疾患、不整脈)。

風邪で意外と勘違いされていることが多い

風邪に関係することで、意外と勘違いされていることが多いようです。

個人的に気になったものを記載してみました。参考になる人がいればと思っています。

 

 

一般的に勘違いされていることが多いこと

  • × 熱が出たら汗をかくために布団をいっぱいかぶせる。
  • × 服をいっぱい着込む
  • × 水枕(アイスノン)で熱が下がる
  • × 入浴できない
  • × 無理してでも食べる方がよい
  • × 坐薬は飲み薬より強い
  • × リンパ腺・扁桃腺が腫れた
  • × 注射や点滴が効く

これらは一般的に勘違いされていることが多く、診察の時に説明して驚かれたり、信じてもらえなかったり、医者が疑われたりすることです。

熱と布団や服

寒いときは布団を掛けて暖める必要があります。特に高い熱が出るときに振るえている時(悪寒)は、手足が冷たくなり顔色も悪くなっています。この時は毛布・湯たんぽも使って十分暖めることが重要です。

しかし、暑いときに布団をいっぱい掛けると、熱がこもってさらに熱が上がり、むしろ体力を消耗するだけです。あせもの原因にもなります。

解熱剤を使った場合や熱が下がるときに汗をかきますが、無理に汗をかかせても熱が下がるわけではないので注意してください。

熱を放散するためには薄着である方が効果的です。

また汗をかいたら、十分な水分補給、こまめな着替えを行うことは必要です。

カゼと抗生物質

かぜの原因の約90%はウイルスで、200種類以上あり、その種類によって少しずつ症状が異なります。

  1. ウイルスは遺伝子だけの最も原始的な生物で、自らの力では増殖できないため、細胞に感染して、その中の仕組みを使って自身を複製し、増殖・感染をしてゆきます。
  2. 細菌は自ら生存し、自身で増殖することが出来ます。

抗生物質は細菌の細胞壁を出来ないようにしたり、細菌の細胞内でタンパク質が出来ないようにしたり、細胞内でエネルギーが出来ないようにしたり、細胞のDNAを切断したり、核酸合成が出来ないようにしたりして細菌が増えないようになります。

このように細菌に直接効果がある抗生物質は、遺伝子しかないウイルスには効果がありません。

 

抗生物質が処方される場合は、現在のウイルス感染の治療ではなく、ウイルス感染によって粘膜が正常に機能しない場所に細菌が感染する場合があり、このウイルス感染に続く細菌感染を予防するために使用することがあります。しかし最近ではこの予防もあまり有効でないとの報告もあります。

かぜの診察では、どのウイルスに感染しているかは問題ではなく、どこにどんな症状が強く出ているかが問題であり、治療はその症状を抑える対症療法が中心となります。

感冒と入浴

昔は入浴してはいけない事が常識でした。

しかし本当は熱がなく元気であれば、入浴は可能です。具体的には一日中37.5℃以下が続いていれば問題はありません。入浴することでお風呂の湯気で加湿し、さっぱりすることで十分な睡眠をとる事が可能となり、結果的に風邪が早く治ります。

ただし湯冷めをすると悪化するため、十分注意してください

水枕(アイスノン、氷枕)

熱があると、水枕(アイスノン)を使っていますが、それほど熱は下がりません。おでこを冷やすこともあまり熱は下がりません。

また熱があっても、寒がっているときに使う方がいるようですが、余計に寒くなるので注意が必要です。

では水枕で熱を下げるためにはどの様にしたらいいのでしょうか。

これは後頭部だけではなく、脇の下、股の間、場合によって背中全体など、同時に冷やすことで効果が出ます。つまり広い範囲を冷やして始めて熱が下がります。

風邪の時の食事

最近は栄養状態が良くなっているため栄養不良で病気になる人はほとんどいません。

風邪の時にウイルスが胃腸にも影響し栄養の吸収が悪くなるため、無理に食べても負担が増えるだけです。必要なことは十分な水分補給と休むことです。といっても一度に多く飲むと胃腸の負担がかかり吐く可能性があるので、こまめに飲むことが重要です。

リンパ腺??

一般的には「リンパ腺」「扁桃腺」と表現しますが・・・

医学的には「腺」とは「分泌物を作って細胞体外に出す細胞」を「腺細胞」と呼び、これが集まって「腺」を作っています。またリンパ組織では節のように太くなっているところがあり、「リンパ節」と呼びます。つまりリンパ節や扁桃の組織は分泌物を作っていないため、「腺」ではありません。

「リンパ腺 → リンパ節」、「扁桃腺炎 → 扁桃炎」が正しい表現です。

坐薬と飲み薬

坐薬でも飲み薬でも強さに変わりはありません。差があるとすれば中に入っている薬の量が違う場合です。

坐薬を使うときは、吐き気がある場合・飲めないときは坐薬を使います。下痢や坐薬に抵抗がある場合には飲み薬を使います。

坐薬は量が決まっていて調節が難しいことが欠点ですが、常備薬として長く保存することが可能です。

かぜで注射や点滴

残念ながら注射をしたり、点滴をしたりしても早く治りません。もちろん脱水・細菌感染での抗生物質など必要なときもありますが、注射や点滴よりも飲み薬の方が種類も多く、効果もあります。

また殆ど栄養にはなりません。点滴に入っている栄養は100kcal程度であり、缶ジュース1本程度と思ってください。あまり栄養(糖分)を多くすると、血管が炎症を起こしてしまいます。

過大な期待をされる方が多いのですが、体温よりは点滴の温度が低いためほんのわずかな冷却効果があるかもしれませんが、大部分は心理的な要素が大きいと思われます。

風邪関係でメディア

平成26年2月16日:FNN、ひつじオオカミにVTR出演
 [ 〜ネットにダマされるな!使える情報15連発〜 ]

関係者の方々にはお世話になりました。