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そもそも血圧とは、血液が血管の中を流れるとき、血管の内側へかかる圧力です。心臓の筋肉が縮んで(収縮して)、中の血液を押し出した瞬間に、血管に一番強い圧力がかかります。これを収縮期血圧(最高血圧:一般的には上の血圧)といいます。次に収縮した後に心臓がひろがる(拡張する)ときに、圧力が一番低くなります。これを拡張期血圧(最低血圧:一般的には下の血圧)といいます。

収縮期血圧と拡張期血圧のどちらか一方でも持続的に高ければ、高血圧といいます。

高血圧は非常に多い病気で、3000万人を超えていると言われています。これは国民4人に1人であり、代表的な家族で両親と子供2人では両親のどちらかが高血圧となる計算となりますので多いことがわかると思います。

高血圧は生命を脅かすようなさまざまな病気の原因となります。これが高血圧は危険といわれる理由です。高血圧が原因となる病気にはいろいろなものがありますが、その中で一番多いのが動脈硬化です。高い血圧は血管の壁にストレスを与えて、その結果血管の壁が傷んで動脈硬化になります。動脈硬化になると血管の内側にゴミが溜まり、中が細くなり、最終的に流れなくなります。この流れない状態が、急激に心臓に起これば心筋梗塞、脳に起これば脳梗塞となります。心筋梗塞は心疾患、脳梗塞は脳血管障害であり、日本の死因の第2位と第3位で、この2つを合わせると約30%となります。つまり日本の3割は動脈硬化で死亡していることとなり、大変重要な病気であることがわかると思います。

つまり高血圧自体では患者さんが自分で気がつくような自覚症状はあまりありませんが、長期間放置すると病気が進行して、突然血管が閉塞することで症状が出てきます。このため、あたかも健康な人が、突然病気になって倒れたように見えてしまうわけです。

他の病気(例えば糖尿病)がなく高血圧のみであれば、収縮期(上の血圧)が140mmHg以上、拡張期(下の血圧)が90mmHg以上は高血圧と診断されます。つまり正常は130台/80台です。この数字は年齢とは関係ありません。他の病気が伴っているともっと低い値から高血圧と診断されます。

自覚症状はほとんどありません。人によっては、高血圧と診断される前から肩こり・頭痛・耳鳴りが出る人もいます。でも高血圧に特有の症状ではないので、症状だけで高血圧を発見することはかなり難しいです。そのため、健康診断や自宅などで定期的に血圧を測って、早めに発見する必要があります。

また、多くの方が無症状のため、放置されたり、軽視されたりする傾向にあります。重大な病気へとつながる前に発見して、確実に治療する必要があります。

血圧は、1日のうちでかなり変化します。

朝起きる少し前から上昇し、日中にも上下し、入浴や安静で低下して、寝てからも低下します。季節・食事・排便や排尿・会話・作業・ストレスなどでも上下に変化しています。このため血圧を測る時間が異なると数字が違ってくるわけです。

当たり前かもしれませんが、心臓は機械ではないので、血圧を測定するたびに値が異なります。このため外来で「昨日は良かったのに」「さっきは良かったのに」と言われる方が非常に多いのですが、1回だけの数字に振り回されないようにしてください。また入浴後のゆっくりしている時は、一般的には1日の中で最も低い血圧であり、病気の状態を判断することは難しいです。

早朝(起床して1時間程度)の血圧が上昇している場合を早朝高血圧と呼び、脳・心臓の病気が起こりやすいため問題となっています。つまり自宅で血圧を測定する場合には、起床後1時間後程度で測定することで早朝高血圧か否かを把握することが可能です。

高血圧の治療目的は、単純に数字を下げることではありません。数字のつじつまを合わせるわけでもありません。

将来の心臓や血管の病気、その後の虚血性心疾患や脳卒中を防ぐことです。つまり、将来病気にならないように、現在高血圧の治療をしていることを理解することも重要です。将来健康的な生活を送るために、現在先行投資をしている保険と同じものと考えてみてはいかがでしょうか。

正確に測るためには、最低でも15分間は静かに座って安静にして下さい。血圧測定前の30分以内に、カフェインが含まれている飲み物を飲んだり、たばこを吸ったりすると、血圧が変動するので控えて測定して下さい。さらに、決まった時間に測定することも重要です。個人的には薬の飲む直前が忘れにくいと思います。

血圧の薬は眼鏡と同じです。眼鏡をかけると良く見えますが、はずすとすぐ見えなくなります。血圧では、薬を飲んで血圧が下がっていても、やめると血圧がもとに戻ります。数字的には低下していますが。病気自体が直ったわけではありません。将来病気にならないために毎日欠かさず薬を飲むことを忘れないでください。

よく、「薬を飲んでるから何をしても良い」と聞きますが、食事療法や運動療法も続けていかなくては薬の効果が十分発揮されないことがありますので、薬を飲むとともに食事・運動に気を配ることも忘れないようにしましょう。せっかく高い金額で診療や処方を受けているわけですから、無駄にしないようにしましょう。

 

1.減塩が重要です。

食塩を多く摂っている国の人ほど血圧が高いということが知られています。塩分をほとんど摂らない民族では、高血圧の患者が少ないことが知られています。

食パンやおすしに含まれている塩分、加工食品や外食などには、塩分が多く含まれています。単に調味料の食塩・つける醤油を調節しただけでは十分な減塩は出来ません。

薄味に慣れることが重要です。汁物・酒のつまみにも注意。醤油はつける様にして下さい。酸味や香辛料を上手に利用して味の工夫も必要です。

(いくら頑張っても全体の食塩量が多いと全く効果がないため注意が必要)

 

2.減量も重要です。

体重を減量することで、常に身にまとっていた脂肪を下ろすことになり、おもりや荷物が無くなったことと同じです。体の負担が少なくなることは想像できると思います。さらに減量に成功していると言うことは生活習慣が改善されたことも示しています。

皮下よりも内臓に脂肪がつく内臓肥満(上半身型やリンゴ型肥満)が、血圧の上昇と関連が深く、体重を減らすと血圧が低下することが知られています。これは少し考えるとわかると思います。重りを持っていると負担がかかりますが、その重りを下ろすと負担が少なくなります。

肥満は、食べすぎと運動不足が大きく関係しています。よく体を動かす人には、肥満の人が少なく、血清脂質も正常範囲で、心血管病の危険因子が少ないことに加えて、糖尿病になりにくいことがわかっています。

 

3.その他:食事に関して

飲酒も関係があります。

1980年の循環器疾患基礎調査で、男性では大量飲酒者ほど血圧が高く、毎日飲酒する人は飲まない人と比べ、10歳の加齢に相当する血圧を示していました。

1回の飲酒は血管を拡張させ、数時間は血圧が低下しますが、飲酒を続けることで日々の血圧は上昇します。節酒による降圧効果は1〜2週間以内に現れます。

また大量飲酒者は急にアルコール制限を行うと血圧が上昇することがあります。数日継続することで血圧は低下します。

このことから考えると、飲酒は肝臓の病気を起こすだけではなく、血圧にも関係があるため、節酒・禁酒も血圧を下げるためには重要な因子となります。参考までに大量飲酒(毎日5合以上)では心臓の病気を起こし、心不全となることもあるため、注意が必要です。

 

4.運動療法について

酸素をたくさん使う運動(※有酸素運動)は、長期間くり返して続けることで、血圧を下げる作用があることがわかっています。日常生活で簡単にできるものは、無理のない範囲で歩くことが重要です。

血圧を下げる有酸素運動は、ウォーキングや軽いジョギング、平地のサイクリング、ゆっくりと長い距離を泳ぐ、ラジオ体操などです。また無理のない範囲で適度に行うのであれば、普通のジョギング、ゲートボール、階段の昇降、ゴルフ、ハイキング、スケートなどは行うことは可能です。

激しいため、治療に適さない運動は、なわとび、サッカー、坂道での早足、ダンベル、登山などです。このような運動はむしろ血圧を上昇させるため、危険だと思ってください。簡単に表現すれば筋トレは禁忌です。ただし、内蔵肥満に関しては筋肉量を増加させることで、基礎代謝量が増加するので脂肪の代謝が増加し、肥満の解消になるため、正しく血圧を調節しながら治療してゆくが事が重要となります。

食事療法・運動療法を始めても途中で挫折してしまうことは、誰にでも良くあることです。めげてもあきらめる必要はありません。また始めれば良いのです。一度に全てを変えようとすると長続きできないかもしれません。徐々にあるいはひとつずつ変えていきましょう。

高血圧にならなければそれが一番良いことですが、もしも高血圧が発見されても早めに正しい治療を開始すれば、虚血性心疾患や脳卒中にかかることは少なく、十分に天寿を全うできます。高血圧があっても一病息災で長い人生をお楽しみください。

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